
「今年はちょっと赤字にしちゃったよ」

「しちゃったよ?って・・・」

赤字に「した」のか「なった」のか、言葉のアヤですがね。
それは長年経営していれば、そんな年もあるでしょう、ごく当たり前の話です。
ただし、問題はその赤字の内容です。
ただ一回赤字を出しただけなのに、それを理由に融資を断られる、このつらさは実際に経験した人ならばおわかりになるでしょう。
銀行の融資窓口で、赤字の理由、説明しますよね。
「正直に決算をしたんだから、しょうがないだろ」
という方もいれば、
「今年は赤字になってしまいました。 融資継続してもらわないと資金繰りが詰まります。 個人の預金も吐き出しました。私、頑張っています。
ですから・・・長年の付き合いじゃないですか。助けてください」
融資担当者としては助けてあげたいのですがね。
でも・・・、銀行って皆さんと同じ「株式会社」ですから、慈善事業ではないんですよね。

「傘、返してもらおっか・・・」

では、利益が出ていればいいのかといえば、これがそうでもありません。
たとえば、売上が毎年増加している会社も、銀行としては注意が必要なんです。
売上が毎年バンバン急増、社長も鼻息が荒い、会社は一見絶好調。
経営者にとっては嬉しい悲鳴でしょう。
当然経営者は業績好調であるから、銀行も融資を渋るわけがないと思いますよね。
ですが、企業倒産のケースって売上急増によるものが意外と多いんです。
その理由のひとつは、ずっと売上が増加していけば、お金は無限に必要となるからです。
銀行にとっては融資したら最後、とことん融資し続ける必要があるからです。
けっこう怖いんですよ、売上増加による運転資金は。
だからそんな業績好調の時でもきちんとした決算をして、その数字的根拠に基づいて増加運転資金の説明が必要なんです。

「ま、ちょっとお化粧でもしましょうか」

会社って必ず決算書、作ってますよね。
余談ですが、決算書を社内的には作成していても申告していない会社があるって事実、ご存知でした?
申告しなければ税金どうなります?
申告しなければ、その会社が税務署には存在していないことになるんですよ、とりあえずはね。
もちろん、脱税であり、違法、立派な犯罪です。

税金を税務署に払うため?
いえいえ、すべては銀行からお金を借りるためであり、会社を存続させるための決算書でしょ。
少しでもよく見せる努力、必要だと思いませんか?
粉飾?
違いますよ、お化粧です、お化粧。
まずは決算書の内容を理解しましょう。
現在利益がでているのであれば、さらに将来の不測の事態に備えてその利益を有効に使いましょうよ。
現在赤字であるならば、黒字になるよう考えましょう。
黒字でも赤字でも貸借対照表はきちっとしましょう。
いいじゃないですか、あくまでもルールにのっとったお化粧なんですから。

ここで説明できる内容は、ほんとにごく一部なんです。
決算書は多種多様、千差万別、一つとして同じ決算書はありません。
私が直接関与できる企業以外の方々が、今以上に決算書への興味を持っていただけたのならば幸いです。
次は、銀行対策の手段の一部、ちょっと変わった銀行対策です。
今までの固定概念は捨ててくださいね。

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